粉瘤について。

2016年9月5日

 毎日、毎日、むちゃくちゃ粉瘤をとりまくっています。

 

気づいたら昨日は20個くらいとっていました。20人の患者さんというわけではなく、おひとりで何個かある方が結構おられますので、こんな数になるのですが、

 

さすがに「どうして私はこんなに粉瘤をとっているのだろう?」という気持ちにはなりますね。


粉瘤というのは、にきびとかおできというような中に膿がたまるタイプのできものの中で、

 

ニキビやおできがいったん化膿して腫れるのが治まれば、何事もないように跡形もなくなるのに比べ、皮膚の中に袋ができてしまい、その中に膿がたまっていますので、

 

腫れが引いているときも、袋は残っておりますので、まったくゼロになるということがありません。

 

そして膿のたまり具合により腫れて大きくなったり小さくなったりを繰り返しつつも徐々には大きくなります。


何度も膿んで「腫れて痛い」「見た目が悪い」など、このことから問題が生じている方は、この粉瘤を袋ごと取り去るしか完治する方法がないわけです。


この取り方はいろいろあります。皮膚を切るのですから局所麻酔という痛みどめの注射はどの方法でも事前にせねばなりませんが、袋ごと絶対に再発、取り残しがないように・・

 

ということを優先するならば、その袋のサイズより1.5倍ほどの長さの切開線で大きく切ることになります。傷跡をできるだけ小さくするということを優先するならば、袋のほぼ真ん中に皮膚表面と通じる小さな穴があいているので、その周囲のみ皮膚をくりぬき、袋が破れないように上手にそっと袋ごと抜き出してくるということになります。

 

私としたらせっかく、技術を提供させていただいているのだから、

できるだけ後者をとりたい・・というか、小さな穴からコロンと袋ごとでてきたときの

「やった」という快感は私自身ありますんで、これを選びたいわけなんですが、

 

それを選ぶあまり袋が残ってしまって再発したのでは本末転倒ですから、袋ごと穴から抜くことができる「くりぬき法」というのが可能なケースの患者さんにのみさせていただいています。

 

何度も何度も破裂して皮膚と癒着が強いタイプ、袋がかなり深いところまであるタイプ、

今膿んで膿がでているような時期・・というのはこの「くりぬき法」は適しません。


「くりぬき法」をするにはパンチという穴あけ機を使うこともありますし、メスを使ってもきれいにクルリと円を描くこともできますし、まあマニアックに言うと手首の返しが上手にできると一筆書きの様にきれいに「くりぬきようの穴」をあけることができます。

 

あとは、これもマニアックに使う器具を選ぶことでしょうかね、上手になるコツは。

 

毎日、毎日、ご要望にお応えして、粉瘤やできものの小手術をしてまいりまして、

ふと気づくとどこかのサイトに「いっぱい粉瘤をとっている医者」として掲載されているようでして、それが名誉なんかどうかはわかりませんが、毎日まだとっております。


とっていて思うのですが、本当にこれは外科の先生のようにただ、ただ毎日同じことの繰り返しであり、この症例を何症例クリアしたから、今度は肝臓がんの難しい手術にトライできる・・とか、その手のステップアップは望めませんので、ちょっとしたやり方を工夫するとかしかクリエイティブさは見いだせませんので、いろいろ自分なりにやっています。

 


ずっと昔ですが、心理精神分析の修行のため、自分自身が精神分析を受ける必要があったため、精神分析家さんのところに通い、カウチに寝そべって、つらつら連想を語るという非常に古典的な精神分析療法を受けていたことがあります。

 

その時私が形成外科医とふと思い出した分析家さんが、

「そういえばあなたは血をみると興奮しませんか?」と聞かれ「いや、別に」と答えたら、

分析家さんのほうが「そうですか~昔、血を見ると興奮するからオペ場で看護師していると言った看護師さんがクライアントでいたんで・・」

 

とどっちが分析を受けてるのかわからない応答がありましたが、

どっちか言うと私は「血をみるとクールになる。落ち着いてくるな」とその時感じていました。

昨日ふとこのやりとりを思い出しましたが、やはり私は血を見て興奮するとは思わないのですが、間違いなく血を見ると「よりリアル」になる、いやもっと話を大きくしちゃうと「血をみたときだけ、現実にいる」「血が出ている世界は非常に明確だ」というようなアスペルガー的世界があるように思いました。

 

ま、帰宅し「考えすぎんとこう。よく仕事したってことだけにしとこう」と思い、

 

またビール飲んで寝ちゃいました。

IMG_1695